Previous: 7.4. タンパー検出機能 |
Up: 7.4. タンパー検出機能 |
Next: 7.4.2. タンパー検出機能の使用方法 |
組み込み製品の場合、製品の外装を開封されると問題が発生する場合が多くあります。防犯システム用であれば、操作盤を物理的に開封されてしまった場合でも、入室用の暗証番号を読み出せないような構造になっていなければいけません。コンシューマー用の製品であれば、使用者が外装を開封したときには、これを検出できるようにして、製品保証を無効にする必要が出てきます。
こういった製品に対する侵襲行為をタンパー(tamper)と読んでいます。許可無くいじくる、改ざんするといった意味です。STM32にはタンパー検出のためのタンパーピンが備わっています。タンパーピンを使用する際には、製品の外装を工夫して、開封するとタンパーピンに立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジが検出されるようにしておきます。ふたの縁にスイッチを付けておいて、スイッチがオフになると、プルアップしているタンパーピンに立ち上がりエッジが入力されるといった使い方をします。
タンパーピンにエッジが検出されると、たとえVDDが供給されていなくても、バックアップレジスタの中身が消去されます。そこで重要情報はバックアップレジスタに記録しておいたり、フラッシュに記録した重要な暗号化データの復号用パスワードを記録したりしておけば、開封してもデータを読み出すことができません。バックアップレジスタに合い言葉を記録しておけば、VDDがオフになっていた間に、製品が開封されたかどうかを検知することもできます。
タンパーピンは割込を発生させることもできますから、VDDが供給されている間も、侵襲行為があった時点ですぐに対応をすることができます。
Previous: 7.4. タンパー検出機能 |
Up: 7.4. タンパー検出機能 |
Next: 7.4.2. タンパー検出機能の使用方法 |