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マイコン徹底入門:周辺回路編:STM32のペリフェラルを活用: 10. 低電力モード:

10.1. 低電力モードの種類

 STM32には3種類の低電力モードがあります( 16?1)SLEEPモードはCPUクロックのみをオンにし、周辺回路は有効にしたままとするモードです。CPUの消費電力を抑える一方で、タイマには波形の生成を続けさせるといった使い方ができます。STOPモードは、周辺回路へのクロックも停止させますが、レジスタ・SRAMの内容は保持しますので、通常状態(RUNモードと呼んでいます)に復帰したときには、STOPモードに入る前の状態から処理を再開できます。STANDBYモードはレジスタ・SRAMへの電力供給も停止します。もっともスタンバイ回路とRTC(LSE/LSIクロック)へは電力が供給されており、パワーオンリセット(電源のオフ→オン)が無くても、一定のイベントをきっかけとしてRUNモードに復帰させることが可能です。

16?1 STM32の低電力モード

モード名

移行命令

復帰方法

クロック

レジスタ・SRAM

SLEEP

WFI

割込発生

CPUクロックのみオフ

 

内容は保持

WFE

割込発生

EXTI

STOP

PWR_EnterSTOPMode

EXTI

LSE/LSIのみオン

STANDBY

PWR_EnterSTANDBYMode

WKUPピン

RTCアラーム

NRSTピンリセット

IWDGリセット

内容は消失

 RUNモードでの典型的消費電流はすべての周辺回路を有効にした場合で36mA、すべての周辺回路を無効にした場合で27mAです(動作周波数72MHzの場合)。これがSLEEPモードになると14mAになり、STOPモードだと24uAとなり(ミリアンペアではなくマイクロアンペアです!)STANDBYモードだと3.4uAになります。これらの値からも、低電力モードが消費電力抑制に有効だということがわかると思います。


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