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STM32には3種類の低電力モードがあります(表 16?1)。SLEEPモードはCPUクロックのみをオンにし、周辺回路は有効にしたままとするモードです。CPUの消費電力を抑える一方で、タイマには波形の生成を続けさせるといった使い方ができます。STOPモードは、周辺回路へのクロックも停止させますが、レジスタ・SRAMの内容は保持しますので、通常状態(RUNモードと呼んでいます)に復帰したときには、STOPモードに入る前の状態から処理を再開できます。STANDBYモードはレジスタ・SRAMへの電力供給も停止します。もっともスタンバイ回路とRTC(LSE/LSIクロック)へは電力が供給されており、パワーオンリセット(電源のオフ→オン)が無くても、一定のイベントをきっかけとしてRUNモードに復帰させることが可能です。
表 16?1 STM32の低電力モード
モード名 |
移行命令 |
復帰方法 |
クロック |
レジスタ・SRAM |
SLEEP |
WFI |
割込発生 |
CPUクロックのみオフ
|
内容は保持 |
WFE |
割込発生 EXTI |
|||
STOP |
PWR_EnterSTOPMode |
EXTI |
LSE/LSIのみオン |
|
STANDBY |
PWR_EnterSTANDBYMode |
WKUPピン RTCアラーム NRSTピンリセット IWDGリセット |
内容は消失 |
RUNモードでの典型的消費電流はすべての周辺回路を有効にした場合で36mA、すべての周辺回路を無効にした場合で27mAです(動作周波数72MHzの場合)。これがSLEEPモードになると14mAになり、STOPモードだと24uAとなり(ミリアンペアではなくマイクロアンペアです!)、STANDBYモードだと3.4uAになります。これらの値からも、低電力モードが消費電力抑制に有効だということがわかると思います。
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