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マイコン徹底入門:RTOS編:フリーのリアルタイムOS活用法: 1. リアルタイムOS:

1.2. RTOSを使用することのメリット・デメリット

 RTOSを使用すると以上のような利点があるわけですが、欠点もあります。以下、RTOSを使用することの代表的なメリット・デメリットを挙げてみます。

メリット

デメリット

・機能が複数ある場合でも、CPUの処理時間や計算能力の分配が容易である。

・各処理に優先順位を持たせることが容易である。

・各タスクが独立しているので、ソフトウェアの規模が大きくなったときでもシンプルなプログラム構成を維持できる。結果開発性や保守性が向上しソフトウェアの規模の拡大に対応しやすくなる。

・要求される処理が多い場合でもリアルタイム処理が容易である。

RTOS自体に必要となる処理時間分システムのパフォーマンスが下がる。

RTOS自体のコード分ROMの消費量が増える。

RTOS自身が使用する分とタスクの状態保存のためのRAMの消費量が増える。また必要なRAM容量の見積もりが必ずしも容易ではない。

RTOSの使用方法を習得するための時間コスト・費用コストが必要になる。

 以上の通りで、RTOSは、システムの規模が大きくなるほど採用するメリットが大きくなるものであると言えるでしょう。従来の8/16ビットマイコンであれば、IOや周辺回路がそれほど多くなく、RTOSを使用することのメリットは必ずしも大きくありませんでした。計算能力がそれほど大きくなく、ROMRAMの容量が限られており、RTOSを使いたくても使えないといった事情もありました。一方、STM32は、従前の8ビット市場を視野に入れたマイコンですが、豊富なIOと周辺回路を備えており、これらを最大限活用しようとした場合には、十分にRTOSの恩恵に与ることができます。余裕のある計算能力と潤沢なROMRAM容量があることから、RTOSによるマイコンの資源消費も事実上無視できます。STM32を活用しようという場合には、是非RTOSの利用を検討してもらいたいと思います。

ブックガイド 1 RTOS

武井正彦他;『図解μITRONによる組込みシステム入門』,森北出版株式会社,20081月.

FreeRTOSではなくμITRONの解説書です。ですが、RTOSとは何か、RTOSで何ができるのかということが詳しく描いてあるため、とっかかりの書籍として好適です。

 

 

高田広章他;『リアルタイムOSと組み込み技術の基礎』,CQ出版社,20037月.

『図解μITRONによる組込みシステム入門』の次はこれを読むとよいでしょう。ちょっと難しくなりますが、RTOS技術を概観することができます。

 

 

藤倉俊幸;『リアルタイム/マルチタスクシステムの徹底研究』,CQ出版社,20031月.

大分とレベルが上がりますが、RTOSの内部的な仕組みに興味がある方は、これを読むと理解が進みます。

 

Richard Barry;『Using the FreeRTOS Real Time Kernel - a Practical Guide』,Real Time Engineers Ltd2009年.

FreeRTOSのサイトから購入できるe-bookです。FreeRTOSの使い方がステップバイステップで習得できるようになっています。


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