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LEDを点灯させるための回路図は以下の通りです。
図 13?3 回路図
写真 13?29 ブレッドボードにLED1灯を実装した状態
***P3071276***
LEDを点灯させるためには、単に電池をつなぐだけではなく、LEDに流れ込む電流を制限するための抵抗を直列に接続する必要があります。抵抗値は以下の式で計算できます。1.8VというのはLEDの順電圧です。ダイオードの特定によって値は異なるのですが、ダイオードの両端の電圧は常に一定となり、これを順電圧といいます。赤色LEDの順電圧はだいたい1.8V程度です。ダイオードの両端の電圧が先に決まってしまうので、のこりの部品にかかる電圧はダイオードの順電圧を差し引いた電圧になります。
抵抗値=(電源電圧(V)-1.8V)÷電流値(A) |
通常のLEDは20mA程度が推奨される最大の電流値となります。電池の電圧は新品だと3.3V程度ありますので、
(3.3-1.8)÷0.02=75 |
となり、適切な抵抗は75Ωとなります。ただ75Ωちょうどの抵抗は売られていませんので、売られている中で75Ωに近いものを選びます。このとき75Ωより低い値のものを選ぶと、LEDに流れる電流が想定よりも大きくなり、LEDを痛める可能性があります。そのため75Ωより大きい値の中で一番近い抵抗値のものを選ぶようにしましょう。
ここでは100Ωを使用することにします。回路図を見ながらブレッドボード上に部品を差し込んでいきましょう。
回路が閉じた(電源のプラス側からマイナス側までがつながって電流が流れる状態になったことを「閉じた」といいます)瞬間にLEDが点灯したはずです。点灯しない場合には確実に接触しているか、LEDの向き(下記コラム参照)が合っているかを確かめてください。
コラム 13?5 抵抗セット
抵抗やコンデンサは値によって多数の種類があります。一つあたり5円程度から購入できます。ただ試作の際に、抵抗値やコンデンサを交換する度にショップに行かないといけなくなると、なかなか作業が進みません。抵抗やコンデンサは、よく使われる値のものが数百本単位でセットになったものが売られています。価格は1000円から2000円程度でしょう。これを購入しておいて、どんどん取り替えながら試作すると作業がはかどります。 |
コラム13?6電子部品の向き
抵抗やセラミックコンデンサは部品から出ている2本のリード線に極性は無く、どちらのリード線を回路のプラス側、マイナス側に接続しても、想定した通りの動作をします。 これに対してダイオード(LEDも「発光ダイオード」ですのでダイオードの一種です)や電解コンデンサは極性があり、向きを間違えると、動作をしなかったり、予想外の動作をしたり、破壊されたりすることになります。 LEDの場合は足の長い方がアノードと呼ばれ、電源のプラス側に接続します。足の短い方はカソードと呼ばれ、電源のマイナス側に接続します。LEDの中の金属片の大きさでも極性がわかります。 写真 13?30 クリアモールドのLED 写真右側の大きい金属片の側がカソード ***P3041006***
電解コンデンサも同じで足の長い方がプラスで、短い方がマイナスです。電解コンデンサの場合は部品本体の側部のマイナス端子側にはマイナスマークが付いているはずです。 |
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