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バックアップレジスタも電子回路的に見れば単なるSRAMですので、まったく電源が無ければ動作することはできません。STM32では、バックアップレジスタと後述のリアルタイムクロックを合わせてバックアップドメインと呼んでいますが。STM32にはバックアップドメインのための電源端子としてVBAT端子が備わっています。VBAT端子に1.8Vから3.6Vまでの電圧を供給しておくと、CPUや周辺回路用の電源(VDD端子に供給される電源) の供給が停止した場合でも、バックアップドメインは動作し続けます。
バックアップドメインが消費する電流は3.3V動作時で1.4uAです。ごくわずかな電流ですから、VBATに接続する電源はボタン電池やコイン電池で十分でしょう。CR2032を使用した場合、机上の計算では約18年、電池がもつということになります。
コラム13?1ボタン電池・コイン電池
ボタン電池の定番はLR44で今でも多くの機器で使用されています。もっともリチウム電池の価格が下がってきたこともあり、コイン電池であるCR2032が多く使用されるようになりました。LR44は3Vを得るために2個直列にする必要がありますが、CR2032ならば一つでよく、形状もコンパクトで、容量は2倍です。一方LR44型の電池も進化しており、酸化銀電池であるSR44はLR44と同一形状と電圧を保ちながら、容量を倍近くに増やしています。各ボタン電池の仕様等は表 13?1の通りです。 なおリチウム電池は逆電圧を掛けたり、過電流を流したりすると簡単に破裂します。有毒な内容物が飛び散りますので、くれぐれも注意してください。 表 13?1 ボタン電池の仕様等
ボタン電池には多くの種類がありますが、LR44やCR2032用の電池ホルダであれば電子部品店の店頭で簡単に入手できます。これらの電池ホルダは直接にはブレッドボードに挿しにくいものが多いです。筆者はブレッドボードで簡単に使えるようにユニバーサル基板に、電池ホルダとレセプタクルを付けたものを作っています(写真 13?1)。ヘッダピンでなくレセプタクルにしたのはショート防止のためです。念には念を入れて、保管時は一つずつポリ袋に入れて保管しています。 写真 13?1 ボタン電池用に作ったアダプタ基板 ***P3040969***
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