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ここでは秋月電子で販売されているSUNLIKEの液晶モジュールSC1602を使用します(写真 6?39)。表示色やバックライトの有無等で複数種類がありますが、接続方法には変わりありません。その他のHD44780互換のLCDモジュールも同じ接続方法のものが多いようです。本章で紹介するサンプルプログラムでの設定を前提にする場合には、接続時の回路図は図 6?65の通りとなります。
写真 6?39 1602キャラクタ液晶
***P3041013***
図 6?65 回路図
モジュールのピンにはそれぞれ役割があり、表 6?13の通りとなっています。1(Vss)・2(Vdd)は電源です。このモジュールは5Vでの動作が推奨されていますので、5Vの電源に接続します。3(Vo)はLCDの濃度調節のため、抵抗分圧で調整した電圧を供給します。7?14(DB0?DB14)はデータバスです。データや命令をパラレル通信で送受信します。4(RS)は、データバスで送受信する信号が、LCDに表示するデータなのか、LCDの操作のための命令なのかを、LCDに通知するためのピンです。Hレベルががデータ、Lレベルが命令となります。5(R/W)は、データバスを使用してモジュールからマイコンにデータを読み込むのか、マイコンがモジュールにデータを読み込むのかを、LCDに通知するためのピンです。Hレベルが読み込み、Lレベルが書き込みです。6(E)は同期信号です。マイコンからのモジュールに向けて送信されます。シフトレジスタのクロック信号と同様と考えればよいでしょう。HD44780の場合、同期信号がHレベルからLレベルになる時点でのデータバスのパラレル情報をモジュールが読み取ります。
表 6?13 使用したモジュールのピン配列
***再トレース***
ピン番号 |
記号 |
機能 |
1 |
Vss |
電源 GND |
2 |
Vdd |
電源 5V |
3 |
Vo |
電源 コントラスト調整 |
4 |
RS |
レジスタ選択 H:データ入力 L:命令入力 |
5 |
R/W |
データ方向 H:データ読込(LCD→マイコン) L:データ書込(マイコン→LCD) |
6 |
E |
イネーブル入力 |
7 |
DB0 |
データバス |
8 |
DB1 |
|
9 |
DB2 |
|
10 |
DB3 |
|
11 |
DB4 |
|
12 |
DB5 |
|
13 |
DB6 |
|
14 |
DB7 |
注意しないといけないのはHD44780液晶ではどれでも似たようなピンは位置なのですが、ものによっては電源のプラスとマイナスが逆のものがあります。購入した製品のデータシートをよく見て間違わないようにしてください。筆者も間違えてモジュール一つを過熱させて壊してしまいました。
HD44780自体は動作電源電圧の範囲が広いのですが、モジュールとして構成されているものの電源電圧は5Vのものがほとんどです。そうするとHD44780側から出力される電圧は5V近くになりますから、マイコン側のポートは5V耐圧のポートを使用しないといけません。STM32-H103やSTM32-P103の場合は使用するピンの選定に特に注意が必要です(本書で使用しているplatform_config.hでの設定ではGPIOXに5V耐性のないピンが混じっていますので変更が必要です)。一方、HD44780の入力レベルは電源電圧にかかわらず、3.3Vのロジックにも対応できるものになっていますので、変換は不要です。ただ双方向でデータをやりとりできる必要がありますから、5V耐圧でないピンを使用する必要がある場合には、双方向レベル変換IC(コラム8?11参照)などを使用する必要があるでしょう。
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