Previous: 10.2. WFIとWFE |
Up: 10. 低電力モード |
Next: 10.4. SLEEPモード |
低電力モードはどのモードもCPUへのクロック供給を停止します。そのためマイコンはプログラムの処理を継続することができません。一方、RUNモードのままでクロック周波数を低下させれば、処理速度は遅くなりますが、マイコンにプログラムの処理は継続させながら、消費電流を抑えることができます。また使用しない周辺回路を無効にすることによって、消費電流を抑えることもできます。そのためプログラムの実行は継続させながらも、電力を節約したいというときには、クロック周波数の変更を検討しましょう。
表 16?2はCPUクロック(HCLK)とマイコンの典型的消費電流を対応させた表ですが、クロックと電流がほぼ正比例の関係にあることがわかります。クロックを半分にすれば消費電流も半分です。常に最高速度で動作させないといけないプログラムでなければ、動的にCPUクロックを変更することで、かなりの節電効果が得られます。
表 16?2 クロックと消費電流
***再トレース 中列「全周辺回路有効」右列「全周辺回路無効」 データシートより***
***表外に(単位:mA)と付ける***
ここで気をつけないといけないのは、HCLKを変更するためにはPLLの逓倍率やAHBプリスケーラの分周比を変更する事になるのですが、そうするとクロックツリーの構造上、周辺回路に供給されるクロック周波数も変更されることになります。タイマの場合は供給されるクロック周波数が変わるとカウントスピードや生成される波形が変わります。シリアル通信インターフェースは供給されるクロック周波数が一定以上でないと回路自体が動作しません。そのためHCLKの変更の際には、その変更が周辺回路の動作にどのような影響を及ぼすのかをあらかじめ予測しておく必要があります。
Previous: 10.2. WFIとWFE |
Up: 10. 低電力モード |
Next: 10.4. SLEEPモード |