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まずは今回構築する開発環境の全体を俯瞰してみましょう。
最初に必要となるのは、開発対象であるマイコン自体です。先述の通り本書ではSTM32マイコンを開発対象とします。
マイコンには高度な計算機能、周辺回路がパッケージングされていますが、マイコン自体には、ディスプレイもなければキーボードもありません。そこでマイコン上で動作させるためのプログラムを作成するための道具であるPCが必要になります。
今回はPCにはWindowsがOSとしてインストールされていることを前提とします。Windowsは高機能なOSですが、これ自体としては、マイコンプログラムの開発機能を有していません。そこでPC上でマイコンプログラムを開発するための各種のプログラムを用意します。開発のための各種のプログラムを組み合わせた状態を、開発者側の視点から見て、開発環境と呼んでいます。
開発環境としてはまず、C言語ソースコードを入力するための「エディタ」、入力したソースコードをアセンブリ言語に変換するための「コンパイラ」、アセンブリ言語をバイナリコードに変換するための「アセンブラ」、複数のバイナリコードを組み合わせてマイコン上で実際に動作するイメージファイルを作成するための「リンカ」が必要になります。マイコン上で動作しているプログラムのデバッグを行う場合には、「デバッガ」が必要になります。
イメージファイルができあがったらこれをマイコンのFlashメモリに書き込んで、マイコンがプログラムを起動できる状態にする必要があります。そこでパソコンとマイコンを接続して、書き込みを行うための物理的な接続インターフェースと接続インターフェースを操作するためのソフトウェアツールが必要になります。
図 1?2 PCの開発環境とマイコンとの接続
PC
↑↓ |
↑↓
接続インターフェース機器 |
? ↑↓
マイコン |
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