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マイコン徹底入門:導入編:オープンソースでCortex-M3/STM32の開発環境を無償構築: 13. ブレッドボードの使用法:

13.2. ブレッドボードのメリット

 ブレッドボードを使用することのメリットは、

① 製作が簡単である→早くできあがる

② 半田付けが苦手な人でも回路を製作可能

③ 変更が簡単である→トライアンドエラーを繰り返して回路を検証・製作できる

④ 変更が簡単である→電流計測が簡単にできる

⑤ 分解が簡単である→部品の再利用が簡単にできる

といったものが考えられます。

 試作の際には③が一番重要なメリットでしょう。紙の上や頭の中で構成した電子回路は、実際に検証してみないことには本当に意図した通りに動くかはわかりません。複雑な回路は最初は思い通りに動かないことの方が多いでしょう。ブレッドボードであれば、抵抗値を変更したり、性能の異なるトランジスタを用いたり、LEDの色を変えたり、果ては回路構成全体をやり直したりといったことが簡単に行えます。これによって何度も変更を繰り返しながら、実際に動作する状態にまで持って行くことができるのです。ユニバーサル基板を用いて半田付けをしてしまうとこうはいきません。

 ④は電子工作に慣れていない人にはすぐには実感しづらい話かもしれません。回路の製作の際には、その回路内の電圧や電流の量を計測したい場合がよくあります。電圧の計測の際には、電圧を計測したい部分と並列になるように電圧計の端子を当てれば済みます。つまり回路自体を物理的に変更する必要はありません。

13?1 電圧を計測する場合の回路図

 これに対して電流を計測したい場合には、計測したい部分に、直列に電流計を入れ込む必要があります。つまり、いったん完成した電子回路の経路をいったん切断し、その両端にその場合電流計を使用する必要があるのです。

13?2 電流を計測する場合の回路図

 ユニバーサル基板やプリント基板の回路の一部を切断して電流計をつなぐというのは、不可能ではないのですが、作業として大変ですし、せっかく製作したものを痛めることにもなりますので、なかなか気が進みません。

 しかしマイコンを利用した回路の製作の際には、マイコンに接続する回路が、マイコンが許容する電流消費量以内に収まっている必要があります。これを超えてしまうといつマイコンを破壊してしまうかわかりません。つまり電流の消費量には常に気を配り管理しておく必要があるのです。そこで外部に接続する回路の電流消費量は常に把握しておく必要があります。

 これがブレッドボードであれば、ジャンパ線の位置を1列ずらすだけで簡単に電流計を回路の中に入れ込むことができます。

 また学習のための試作の際に作った回路は、後々になると不要なものがほとんどです。しかしユニバーサル基板でいったん半田付けまでしてしまうと、分解する際には部品を傷める可能性が高く、また、大変面倒ですので分解する気にはなれません。一方ブレッドボードであれば分解も簡単です。結果、部品の使い回しができますから、経済的にもメリットが大きいでしょう。


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