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ヘッダボードは通常はRS-232Cポートを装備していませんから、この場合は、TTLレベルUSB-シリアル変換アダプタを使用します。
TTLレベルUSB-シリアル変換アダプタは、秋月電子、ストロベリーリナックス、ツール工房から発売されているものが安価で使いやすいでしょう。いずれの製品とも機能に大差はありませんが、秋月電子のものはUSBコネクタがミニBになっており、ストロベリーリナックスのものは通常のBです。マイコンボードのUSBコネクタと合わせておくと、ケーブルを複数種類用意しなくてすみますね。ツール工房のものは外観はストロベリーリナックスのものに似ていますが、コネクタはミニBになっています。
いずれのボードも5Vと3.3Vどちらでの接続にも対応しています。STM32は3.3Vで動作させますので、変換アダプタの説明書に従って、3.3Vに設定してください。
図 2?6 お勧めのTTLレベルUSBシリアル変換アダプタ
秋月電子 |
FT232RL USBシリアル変換モジュール (AE-UM232R) |
ストロベリーリナックス |
FT232RL USB→シリアル変換モジュールキット (FT232RX) |
ツール工房 |
USBシリアル変換基板 (USB232R) |
写真 2?34秋月電子 FT232RL USBシリアル変換モジュール
***P2210883***
写真 2?35 ストロベリーリナックス FT232RL USB→シリアル変換モジュールキット
***P2210905***
写真 2?36 ツール工房 USBシリアル変換基板
***P2210899***
写真 2?37 ピンの機能がわかりやすいようにラベルを付けた
***P2210908***
なおパソコンにもともとシリアルポートが備わっている場合やRS-232Cレベルの変換アダプタをもっている場合でも、別にTTLレベルのシリアル変換アダプタをもっておくと便利です。評価ボードの回路図を見てもらうとわかりますが、評価ボードは、マイコンのTTLレベルのシリアル出力を、RS-232CレベルコンバートICを使って、RS-232Cレベルに変換しています。RS-232CレベルのUSBシリアル変換アダプタは、内部でRS-232Cレベル信号をTTLレベルに変換しています。そのため意味なく二度変換しているということになります。RS-232Cケーブルが長いのであれば、RS-232C規格による伝送はノイズ防止に役立ちますが、開発時のように目と鼻の先で接続する場合には意味がありません。そこで最初からTTLレベルで直接つないでしまえということになるわけです。またTTLレベルで直接接続するのであれば、マイコン側にレベル変換ICを実装する必要が無くなります。後述のXBeeやその他のシリアル接続型の周辺回路の検証にも使用できます。
JTAGインターフェースとしてFT2232評価基板を利用する場合には、TTLレベルのUSBシリアル変換アダプタのポートが余ります。これを使えば別途アダプタを購入する必要がありませんし、配線もすっきりします。
なおこれらのUSBシリアル変換アダプタはいずれもFTDIのFT232をコントローラチップとして使用しています。FT232は使用にあたってドライバのインストールが必要です。FT232のドライバはFT2232のドライバと同じものですので、4.1.3を参照してインストールしておいてください。各アダプタのマニュアルにもインストール方法が記載されています。
コラム 2?10 USBポートの供給電力
マイコン開発を行っていると、マイコンボードとの接続や検査機器、USBメモリなど、USBポートへの接続機器が多くなってしまいます。USBシリアルケーブルは製品によっては消費電力が大きいものがあり、また、USBメモリも高速型だとかなりの電力を消費するようです。またハブ自身が消費する電力も無視できません。USBの規格上は1ポートあたり500mAを供給できることになっているのですが、実際にはかなり制限されるとみておいた方がよいでしょう。USBポートに接続された機器が認識されたり、されなかったりといった現象が発生する場合には、供給電力が足りているかどうかを疑ってみてください。 必要な電力が足りないようであれば、セルフパワー式ハブ(ACアダプタを接続するタイプ)を使用しましょう。 |
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