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まず、開発のための中心的ツールであるコンパイラ・アセンブラ・リンカ・デバッガについては、定番であるGNU開発ツールを利用します。GNU開発ツールには、コンパイラであるGCC(Gnu Compiler Collection)、アセンブラであるGAS(Gnu ASsembler)、LD(GNU Linker)、GDB(Gnu DeBugger)が用意されています。
これらのGNU開発ツールは、ソースコードも提供されていますので、自分でコンパイルするなどして実行プログラムに用意してもかまいません。しかし、かなりの重労働であり、きちんと動作するものが用意できる保証はありません。特に今回利用するCortex-M3プロセッサについては、本書執筆時点では、GCCがネイティブ対応(修正なしに対応すること)していませんので、独力で開発環境を準備することは容易ではありません(注:2009年4月1日時点 本書校了時には対応しました)。そこで本書では、各種ツールを特定の開発目標にあわせて組み合わせ済み、完成済みで提供されている「ツールチェイン」を使用します。
ARM系プロセッサ向けのツールチェインは複数存在していますが、今回は米CodeSourceryが提供しているSourcery G++を使用しています。Sourcery G++には提供ツールやサポートの違いによって複数のバージョンがありますが、今回は無償で利用できるSourcery G++ Lite Edition for ARMを使用します。Sourcery G++は中身がGCCなので、ライセンスの制限が緩く、無償のLite Editionでも、コードサイズ制限など無く、商用版ソフトウェアの開発が可能となっています。Sourcery G++はWindows版のネイティブバイナリ(Windows用にコンパイルされたバイナリコード)が提供されていますので、Cygwinを利用してコンパイラ等を動作させるよりも高速に動作するはずです。
図1?3 http://www.codesourcery.com/
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