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6.1.1. ST7032iの特徴

 LCDコントロールICの定番であるHD44780は、普及率が高く、書籍・インターネットなどでの情報量も多いので扱いやすいです。もっとも、4ビットバスを使ったとしても少なくとも6本の信号線が必要になるため結線が大変です(リードを行わずに処理する場合 他にGND1本が必要)。またHD44780のチップ自体は3.3V駆動が可能なのですが、モジュール化されたものは、大抵は5V駆動なので、3.3V系マイコンとのインターフェースには工夫が必要です。もっとも最近はHD44780の代替ソリューションが選択できます。

 ST7032iはキャラクタ液晶のコントロールICです。先述のHD44780と同じ命令体系で構成されているのですが、3.3V駆動が可能で、I2Cバス1本でコントロールできます。またコントラストもI2Cからデジタル的にコントロールできますので、外部にボリュームをつなぐ必要もありません(I2Cバスのプルアップ抵抗は必要です)。ちなみに品番にSTと付いていますが、STM32STMicroelectronicsの製品でなく、Sitronixの製品となります。

 以前はST7032i搭載液晶は産業用途のものばかりで、個人では入手困難なものばかりでした。また仮に入手できたとしても接続が狭小ピッチのフレキケーブルで、敷居が高かったのですが、ストロベリーリナックスから、ST7032i搭載液晶とインターフェース基板がセットで発売され、個人レベルでも簡単に利用できるようになりました(写真 12?2)。価格も安く、非常にコンパクトに仕上がっていますので、とても魅力的なデバイスであるといえます。

写真 12?2 ストロベリーリナックスのST7032i搭載液晶モジュール

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 ST7032iを利用する際に注意が必要なのは、ST7032i側の情報の読み込みができないという点です。そのためDDRAMの内容(現時点での表示内容)の確認ができませんから、現時点での表示内容を確認するためには、マイコン側でデータを管理する必要があります。またビジーフラグの確認もできませんので、ST7032iが定めるタイミングを守ってデータの送受信を行う必要があります。


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