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リードスイッチ(写真 8?15)は、磁力でオンオフを操作するスイッチです。
写真 8?15 リードスイッチ
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リードスイッチは、小さなガラス管の中に、2つの金属板が重なり合う位置で、しかし、隙間を空けながら封入されています(図 8?43)。リードスイッチのリード線に磁石を近づけると、リード線を通して中の金属板が磁力を帯びるので、もう一つの金属板が引き寄せられて接触します。これにより両方のリード線が電気的に導通することになります。リードスイッチはリード線自体がセンサの役割を果たしていると言えるでしょう。静かなところでリードスイッチのリード線に磁石を近づけると、接点がくっつく際のかちかちという接触音を効くことができます。ちなみにリードスイッチの「リード」はreedで、木管楽器の発音部分である芦のベロを意味しています。磁化させる金属板がそのように見えるのでしょう。リード線のリードの方はleadです。
図 8?43 リードスイッチの内部構造
リードスイッチを導通させるには、本来は、一方のリード線には磁石のN極を、もう一方にはS極を近づける必要があります。ただ真っ黒なフェライト磁石を使っていると、極性がわかりにくいです。リードスイッチは、実際には、片方のリードにだけ磁石を近づけても導通させられます。そこで筆者はガラス封入部の根本あたりにスズメッキ線を半田付けして足を増やし、磁石を近づけやすくました(写真 8?16)。
写真 8?16 足を付け足した状態
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まずはマイコンに接続する前に、図 8?44のような回路図で、実際にスイッチとして機能しているか確認してみてください。
図 8?44 回路図
リードスイッチは電気的回路に見れば単なるスイッチです。通常のスイッチに比べるとチャタリングは少ないのですが、それでも金属接点である以上チャタリングが発生しますので、スキャニング処理を行って、チャタリングを除去しましょう。
コラム8?9スイッチの定格
製品として販売されているスイッチには定格電圧と定格電流が定められています。ここで誤解しやすいのが、定格電圧と定格電流は両方を守らないといけないという点です。例えば定格電圧が30V、定格電流が100mAのスイッチがあったとします。このスイッチを3Vで使用する場合には、電力量で考えて、1Aまで流して良さそうにも思えます。しかし3Vで使用する場合でも、流せる電流はやはり100mAまでです。スイッチは接点を持っているので、その接点が抵抗となります。抵抗と電流が定まれば電圧が定まり、そこで消費される電力量が定まります。ある接点が許容しうる消費電力量には限度がありますから、流すことのできる電流値は必然的に定まってくるのです。 本書で使用しているリードスイッチやタクトスイッチにももちろん定格電圧と定格電流があります。GPIO入力に接続する程度であれば通常問題になることはありませんが、モータや高輝度LEDなど、ある程度大きな電流を消費する負荷の場合には定格に気をつけましょう。 また大電流用のスイッチは小電流用のスイッチとして使えないという制限もあります。このあたりは製品にもよりますが、よくある制限です。 |
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