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マイコン徹底入門:周辺回路編:STM32のペリフェラルを活用: 3. タイマ: 3.2. FETを利用したHブリッジ:

3.2.3. マイコンによるFETの制御方法

 前項で解説したFETの性質を踏まえると、マイコンからFETを駆動したい場合、「スレショールド電圧がマイコンの出力電圧の範囲内である」なら、NFETであればマイコンに直接接続して制御することが可能です。例えばスレショールド電圧が2VNFETであれば、マイコンのLレベルでオフ、Hレベルでオンにすることができます。

 PFETの場合には条件がもう一つ加わり「ソースの電位がマイコンのHレベル以下である」ことが必要になります。マイコンのHレベルの電位がソース電位まで達していないと、FETを確実にオフにできないからです。

 もっとも、小信号用のFETであればスレショールド電圧が低いのですが、パワーMOSFETの多くのスレショールド電圧は4V以上であり、STM32の出力電圧ではコントロールできません。

 負荷を駆動するための電源電圧が7V以下なのであれば、TA7291を駆動するときに使用した74HCT245をして駆動することもできます。74HCT245は、入力されたTTLレベルの信号を、74HCT245の電源電圧と0Vとの間で上下させます。そのため、PFETを接続した場合でも、ソースの電位を74HCT245の電源電圧と同じにしていれば、FETを確実にオンオフできます。

 74HCT245の様なバッファICを用いる方法は簡単でよいのですが、負荷の電源電圧がバッファICの電源電圧の範囲内に制限されます。74HCT245であれば7Vが上限ですから、アルカリ電池4本までで駆動する負荷であればよいのですが、先述の540クラスモータであれば、電源電圧が7.2Vであり、バッファICの対応可能な範囲を超えてしまいます。そもそも大きな負荷を駆動するためにFETを使おうとしているわけですから、これでは意味がありません。

 そこで本書では大きな負荷電圧のためのFETを駆動する方法として、フォトカプラとドライバICを使用する方法を紹介します。


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