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本編ではモータドライバICを利用してモータを駆動しました。この方法は簡単でよいのですが、実活用を考えるときには、2つの問題があります。
まずトランジスタには出力飽和電圧がありますから、電源電圧をそのままモータに加えることができません。電源電圧が大きい場合には問題にならない場合もありますが、電池駆動では余分な電圧分の電源、つまり余分に本数が必要になってしまいます。またこの飽和電圧は熱に変換されているだけですから、無駄に電力を消費してしまっています。
またトランジスタを利用したドライバICには大きな電流が流すことのできる製品がなかなか見あたりません。通常入手可能な物では3Aぐらいが限界でしょう。ディスクリート部品の出力が大きなトランジスタを利用してHブリッジを作成することができますが、通常店頭で入手可能なものであれば、15Aぐらいが限界です。ホビー用ラジコンでよく使用される540クラスモータは状況によって20A以上の電流を消費します。そのためトランジスタではこのクラスのモータをコントロールすることは困難です。
モータドライブ等の大電力のコントロールで、出力の効率を重視したい、大きな電流に対応できるようにしたいというときには、トランジスタではなくパワーMOS-FETが多く使用されます。
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