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マイコン徹底入門:周辺回路編:STM32のペリフェラルを活用: 3. タイマ: 3.2. FETを利用したHブリッジ: 3.2.5. ドライバICを利用したFETの駆動:

3.2.5.2. プッシュプル回路

 そこでゲートに大きな電流を流してゲートを素早く充放電する回路を考える必要があります。

 FETのゲート駆動に際してよく用いられるのが、トランジスタ又はFETによるプッシュプル回路です( 8?89)

8?89 プッシュプルによるFETドライブ回路

 上側のトランジスタはNPNトランジスタであり、ベースに電流を流し込むとオンになります、結果、正電源からFETのゲートに電流が流れ込みます。このときの電流量は定格電流量までは流すことができますから、大きな電流でゲートを駆動することができます。このとき、下側のトランジスタはPNPトランジスタなので、ベースに電流を流し込もうとしても電流は流れず、トランジスタはオフになったままです。

 逆にベースをマイナスに接続して電流を引き抜く方向にすると、下側のPNPトランジスタがオンになります。これでFETのゲートは負電源に接続されますから、たまっている電荷が放出されることになります。このときNPNトランジスタはオフになったままです。

 さてこの回路を実際にマイコンで駆動しようと思うと、この回路はエミッタフォロワ接続ですので電圧増幅機能が無いことから、前段に電圧増幅のための回路を挟む必要があります。結果、 8?90のような回路が必要になります。

8?90 実際にマイコンに接続する場合の回路図

 前段のトランジスタのベースに接続されているコンデンサはスピードアップコンデンサと言われているもので、トランジスタが持っている小数キャリア蓄積効果を打ち消して、動作を高速化させる働きがあります。

 この回路を組むとなると、ディスクリート部品が7点必要になります。この回路は駆動するFET1個分の回路ですから、Hブリッジを構成するとなると、部品が合計で28点も必要になります。


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