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マイコン徹底入門:導入編:オープンソースでCortex-M3/STM32の開発環境を無償構築: 2. ハードウェアの選定と接続: 2.1. マイコンボード:

2.1.3. マイコンボード仕様比較

 本書が設定ファイルを提供している各種ボードの仕様は以下の通りです。購入するボードを選択する際の参考にしてください。

function

STBee

STM32-

P103

STM32-

H103

CQ-

STARM

CQ-

ST103Z

STM3210E

-EVAL

STBee Mini

MCU品番

STM32F103VE

STM32F103RB

STM32F103RB

SRM32F103VB

STM32F103ZE

STM32F103ZE

STM32F103CB

MCUパッケージ

LQFP100ピン

LQFP64ピン

LQFP64ピン

LQFP100ピン

LQFP144ピン

LQFP144ピン

LQFP48ピン

USBコネクタ

サイズ

標準

標準

標準

ミニ

ミニ

標準

ミニ

USBバスパワーで

マイコン駆動

USBバスパワーで

接続回路の駆動

×

入力電源電圧

+4.3?

+15V

 

+4.8?

+15V

 

+4.8?

+15V

 

+3.6V?

+16V

+3.9?

+5.5V

(定格最大7v)

5V

+4.3?

+15V

オンボード電源

許容電流

800mA

800mA

800mA

150mA

1000mA

1500mA

800mA

VDDAへの電圧供給

×

×

×

GNDA

GNDA

GNDA

EXT2-3

-

-

(GND)

-

HSE周波数

12MHz

8MHz

8MHz

8MHz

8MHz

8MHz

12MHz

 オンボード電源許容電流は搭載されているレギュレタICの仕様上の最大定格値です。放熱量を考慮しておらず、どのボードもオンボード電源に放熱器を実装していませんので、実際の許容電流量は小さくなります。HSE周波数はマイコンボード上に実装されているクリスタルの周波数です。マイコン自体の動作はこのクリスタルのクロックを72MHzになるように逓倍しますので、HSE周波数の違いによってマイコンの動作・性能が異なるとったことはありません。

コラム2?2回路図・仕様書上での略号

 電気・電子回路の回路図では特定の電圧、電流等を示すために、アルファベットの略号をよく用います。回路図上で一口に電流といっても、回路内のポイント、ポイントによって流れる電流量や向きが違うので、正確に、かつ、簡単に特定するために、こういった略号は非常に便利です。STM32関連の回路図でよく使用される略号は以下の通りです。以下本書でもこれらの略号を使用して解説します。

VDD

マイコン本体用の電源ライン又はその電圧(プラス側)

VSS

マイコン本来用の電源ライン又はその電圧(マイナス側)

VDDA

マイコンのアナログ回路用の電源ライン又はその電圧(プラス側)

VSSA

マイコンのアナログ回路用の電源ライン又はその電圧(マイナス側)

VREF

ADコンバータ・DAコンバータの参照電圧用のライン又はその電圧

VBAT

マイコンのバックアップ用のプラス電源ライン又はその電圧

VIN

ピンに入力される電圧

VIH

入力ピンの状態がHレベルとなるための最低電圧

VIL

入力ピンの状態がLレベルとなるための最高電圧

VOH

出力ピンの状態がHレベルとなっているときの最低電圧

VOL

出力ピンの状態がLレベルとなっているときの最高電圧

GND

電源のマイナス側、VSSVSSA等を共通化させているグランドライン又はその基準電位

IDD

マイコン本体の消費電流量

IIO

入出力ピンを流れる電流量

tw

電圧がHレベル又はLレベルである時間

th

ホールド時間(電圧を保持しておく必要がある時間)

tr

電圧上昇時間

tf

電圧下降時間

コラム2?3エラッタ

 マイコンは高度な集積回路のため、製品として発売されているチップにも、設計・仕様上の不具合が残存したままの場合があります。マイコンチップの内部を更新するといったことはできませんから、このような不具合については、何らかの回避策を講じるか、その不具合が、作成しようとしているプロダクトに影響を与えないかどうかを予め確認しておく必要があります。

 マイコンの場合、製品発売後に発見された不具合についてはエラッタシート(eratta sheet)として、不具合の内容とその回避策(回避策が無いのであれば無いということ)が記載されています。

 マイコン開発の勉強の時点でエラッタに影響を受けるといったことはあまりありませんが、製品開発をする場合には重要なチェックポイントですので、気をつけましょう。


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