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マイコン徹底入門:導入編:オープンソースでCortex-M3/STM32の開発環境を無償構築: 5. ワークスペースの構築:

5.3. フォルダツリーの作成

 開発環境のフォルダツリーを作成します。開発の際には、開発対象のソースコードやファームウェアのソースコード、JTAGやリンカの設定ファイル等多くのファイルを扱うことになります。ポリシーを決めて整理しておかないとすぐに把握不能な状態になってしまうでしょう。そこで本書では下表のようなルールでファイルをフォルダに分類しています。

5?1 フォルダ構成(トップレベル)

bin

リンク後のバイナリファイル・マップファイル

inc

ユーザプログラムのヘッダファイル

src

ユーザプログラムのソースファイル

jtag

jtag等のフラッシュ書き込み用設定ファイル

ld

リンカスクリプト

lib

各種ライブラリ

5?2 フォルダ構成(libフォルダ内)

CMSIS

ARM CMSIS用設定・ライブラリ

COM

デバッグ用COMポートライブラリ

FreeRTOS

FreeRTOSライブラリ

Platform

マイコンボード毎の設定ファイルとボード初期化コード

SD

SPIを使用したSDカードライブラリ

SDIO_SD

SDIOを使用したSDカードライブラリ

Startup

スタートアップルーチン

STM32_USB-FS-Device_Driver

STM32 USBファームウェアライブラリ

STM32F10x_StdPeriph_Driver

STM32ファームウェアライブラリ

USART

デバッグ用USARTライブラリ

UTIL

各種ライブラリ

Virtual_COM_Port

仮想COMポートライブラリ

 本書提供パッケージのSTM32フォルダにはこの状態のフォルダツリーに所要のファイルを保存した状態で収録しています。ここから設定ファイルをインポートして、開発環境のフォルダツリーを作成しましょう。

5?10 STM32フォルダの構成

 本書提供パッケージのSTM32フォルダ内のフォルダとファイルのうち、 5?1のフォルダとファイル2(makefile/makefile.in)をコピーしてください

5?11フォルダのコピー

 次に、Eclipse上のプロジェクト名を右クリックし、Pasteをクリックします。

5?12プロジェクトへのペースト

 すると選択したプロジェクト内にフォルダとファイルがインポートされます。この作業は、コピー元のファイルアイコンをプロジェクト名までドラッグすることによっても行えます。

5?13プロジェクトにファイルをインポートした状態(他にmakefile.inもコピーされている)

 またプロジェクト名を右クリックして現れるメニューからImportをクリックし、GeneralツリーからFile Systemをクリックし、Browseボタンをクリックしてコピー元(本書提供パッケージのSTM32フォルダ)を選択し、インポートするフォルダにチェックを付けて、Finishボタンをクリックするという手順でも実行可能です。不要なファイルのチェックは外しておいてください。

5?14 Importウィンドウ インポートソースの選択

5?15 File systemからのインポート

5?16 File systemからのインポート

?

 SDカードを使用したい場合で、SDカードとの接続にSDIOを使用する場合には、/lib/ SDフォルダを/lib/SPI_SDといった名称にリネームしておき、/lib/SDIO_SDフォルダを/lib/SDにリネームします。リネームするには右クリックメニューからRename...を選択します。元に戻す場合には、最初の状態にリネームし直してください。

5?17 Rename...の実行

5?18 Rename Resourceウィンドウ SDに変更する

5?19 SDに変更した後のツリーの状態

 Eclipse上のプロジェクト内へのファイルのインポートは、単にプロジェクトの作業対象のファイルとして登録するというだけでなく、ローカルファイルシステムのWorkspaceフォルダ内のプロジェクトフォルダに、ファイルがコピーされます。インポート後実際にファイルが生成されているか、確認してみてください。

5?20ファイルインポート後のワークスペース・プロジェクトフォルダの内容


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